情熱の赤 : はふう 御所南店

10年6月再訪
京都にくるたび、名物の「ビフカツサンド」を買いに立ち寄るお店。
とはいえ、いつもお持ち帰りばかりで、店内で食事したことが一度もなかった。
いちどぐらい、出来立てのビフカツを食べてみたいなあ、と思い、ランチに訪問

ここは肉料理の店なので、ステーキやタンシチューの誘惑にも心を揺さぶられたが、初志貫徹で
「特選牛　ビフカツランチ（2990円）」を注文。ランチにしちゃ、ナカナカのお値段である。
ついでにグラスワインの赤（800円）も。

赤ワインを舐めつつ、赤茶色の長いカウンターから厨房を眺める。清潔な厨房と調理器具。
火にかけたフライパンから、肉やソースの良い香りが立ち昇り、おもわず顔がにやける。

綺麗に断面を見せて並べられたビフカツは、いつも持ち帰りで見ている姿より、はるかに
鮮やかなルビー色で、店内の照明も工夫されているのか、キラキラ輝いて見える。
関東ではめったにビフカツなど見かけないし、あっても、こんなに美しい断面のビフカツなど
望むべくもない。
「グルメ雑誌は、赤いタベモノ（牛肉・マグロ・イクラなど）を表紙にすると売上が上がる」という話を
聞いたことがある。赤はヒトの食欲とテンションを高めるのだな、ということを実感。
衣はいったんソースにくぐらせてあるが、ビフカツサンドのように完全にふやけてはおらず、
パン粉のクリスピィさが残っている。ビフカツの下にもたっぷりのデミグラスソース。
真っ赤なので生に見えるかもしれないが、火の通りも適切。
ふだんは「肉より魚」の私だが、アア、やっぱり牛肉ってうまいなあ・・・と当たり前すぎる感想を
抱いた。
ビフカツはさらに3990円の「極上」もあるんだが、ビフカツは霜降りなどより赤身肉の方が
旨いと思うので、これで十分じゃないかしら。

添えられているのは、カレー味のミートソーススパゲッティ。こちらのミートソースも粗挽き肉が
たっぷり入ってコクのある味。最後はデミグラスソースをからめて・・・ぐふっ

付け合せのご飯・味噌汁・小鉢・漬物は、主菜の出来に比べると、ちょい残念。
単品でも良かったかもしれない。サラダはたっぷりでよろしかった。

ステーキやビフカツはそれなりに値段が張るが、安いものでは1050円のカレーもある。
店内でもビフカツサンドは注文できるし、平日は手頃なランチもあるようだ。

帰りには勿論、夫へのお土産に「ビフカツサンド」を購入。
今回も、ビフカツサンドよりずっと高いもんばっかり食べていたことはナイショだ。

09年7月のレビュー
あれは忘れようとしても思い出せない5年か6年か7年前。
はじめてはふうのビフカツサンドを食べたときの衝撃といったら。

関東にはそもそもビフカツというものがないので、ビフカツサンド自体初体験だった我々夫婦は
テイクアウトで購入した当店のビフカツサンドを食べて仰天したのです。
「ヨノナカに、こんなにうまいサンドイッチがあったのか！」と。
ジューシーなミディアムレアのビフカツ、薔薇色の切り口、美味しいソースとかりかりの衣・・・
ホテルでの朝食用に買ったところ、あまりに美味しそうな香りに辛抱たまらず開けてしまい
夜のうちに全部平らげてしまった覚えが。
たかがサンドイッチに1500円（当時）かよ、という気持ちはあったものの、食べた後では、
「うむ」と納得するしかない味。
それ以来、何かのついでに京都を通ると、わき目も振らずにはふうのビフカツサンドを買って
新幹線の中でビールとともにかじりつく、というのが帰路の幸せでした。
（以前は新風館の中にも支店があったのですが、いまは閉店してしまった様子。）

今回も夫に「大阪と京都さ行ってくるダ」と告げたところ
案の定「はふうのビフカツサンド買ってきてケレ」とのリクエストが。

さて、久しぶりのビフカツサンド（当店では「カツサンド」と表記）、2人前を予約注文して訪問。
こちらの支店は初めてですが、本店とつくりが似ていますね。
以前より値上がりして1人前1800円。
普段なら躊躇する値段ですが、ここのビフカツサンドは特別だから目をつぶりましょう。

あ、そうそう、持ち帰るときの注意事項です。
このサンドイッチ、ものすごくいい匂いが辺りに漂いますので、新幹線等への持込は
覚悟してください。
私はこれと蓬莱の豚まんを車内に持ち込んだので、そりゃもう大変でしたよ。

さて、自宅に着いて、久しぶりにビフカツサンドのご尊顔拝見。
大分時間がたってしまったので、本来の美しい姿とは、少々かけ離れておりますが・・・
以前はサンドイッチのわきに「みみ」の部分とピクルスがあったような・・・と思い出して
本店の以前のレビュー写真を見ると、たしかについておりました。
最近になってつけるのをやめたのかな。

時間がたってパンとレタスが多少フニャついても、肉汁が出てしまっても、それでも旨い。
本当はできたてが一番なのだけれど。
1枚のビフカツを3つに切り分けてあるので、真ん中のカツが一番大きい。
ひとりで1折食べる場合は真ん中を最後に、何人かで分けて食べるなら誰よりも早く真ん中へ
手を伸ばすことをお勧めいたします。

留守番をしていた夫も大満足。
「1800円かぁ、ちょっと贅沢だけど美味しいね！」
前日、妻がその10倍ぐらいのご予算のお店に行ったことは・・・知らない方が幸せだな。

ちなみに、「極上カツサンド」ってのもあって、お値段なんと5000円！
興味はありますが、そんなゼータクしたら目がつぶれそうなので、やめておきます。