C'est bon! : ル・プチ・プリンス

Bon Anniversaire!

この時期、BaBeの誕生日と僕達の第一結婚記念日（笑）を兼ねて、僕の両親はもういないので、細の両親と家族旅行をしている。今回は箱根。ということで、もう、赤ちゃんではなくなっているので、BaBe、改め今回からKiD（なんだか出世魚みたい…笑）。

最近のKiDの暴れっぷりを見ていて、さてどこにしようか？とちょっと前から悩んでいた。ガイドブックを見ると、小さい子供お断りのお店もそれなりに多い。色々調べてみると、こちらは子供が駄目とも書いてないし、ランチのみの営業で通しで夕方までやっていることが分かった！最近成功している時間帯を外したランチができる！！更に、料理の鉄人で勝利した岡部シェフとのこと！！！食べログの評価は低いけど、恐らく評価軸や経験、趣向の違う人との差なのか時々僕の感覚とはズレも感じるので目を瞑って電話を掛けてみる。どっちにしてもそう選択肢は多くないのだ。平日なら予約できるとのことで電話を繋いでもらう。大人四人で、小さい子供が居る旨、バースデイケーキを頼みたい旨を伝える。バースデーケーキは+￥2000が必要で、名前とBon Anniversaireと書いてもらえるとのこと。料理の注文はムッシュ岡部コースを頼んだが、着いた時にまた言ってもらえれば良いとのこと。感じがいい。

今回の僕の期待は、

子供が連れて行けるビストロ風の気軽な感じであること。
￥3800という価格に見合った料理の味わいであること。
そして、家族で楽しい時間が過ごせること。

の3点。

到着すると、平日で時間帯を外した所為か駐車場は混んでいない。
外観はちょっと疲れた感じがしたけど、内装はそんなこともない。予約名を伝えると、奥の作り付けの椅子が配置されている席へ通される。予想通り、人が少ない。助かった。

Menu Monsieur Okabe ムッシュ岡部コース（￥3800）x４＋Gâteau d'anniversaire バースデーケーキ（￥2000）

Entrée 本日のオードブル 「生ハムとメロン」
Poisson marché 本日の市場からの魚料理　「目鯛のグリエ　 ナンテュアソース」
Couscous ďagneau 「仔羊のロースト　クスクス仕立て」

Dessert デザート
Café ou Thé コーヒー または 紅茶
Pain パン

を注文。

フランスパンは残念ながら温かくないが、オリーブオイルに黒胡椒が入っていてスパイシーで美味しい。
オードブルは生ハムにメロン。これだけでも美味しいが、上に粉パプリカが篩ってあって、オリーブオイルが掛けられている。ピンクペッパーとディルというハーブ（写真の緑のハーブ）が添えられている。ピンクペッパーは以前牛肉のカルパッチョを作った時に使ったことがあるのだ（結構高い！）が、ホールのままを噛み締めても辛すぎることはなく、爽やかでスパイシーな香りが口一杯に広がる効果がある。ディルは主に魚料理の臭み消しに使われるようだが、薄いミントのような爽やかな味わいを演出する。これが生ハムの塩味と旨味、メロンの甘味と交わって口の中が楽しい。

目鯛のグリエは香ばしい焼き加減の第一印象が素晴らしい。木の子の香り、ソースの甘味と旨味と絡めると本当に美味しい。それに、海苔が振りかけられているのがなんとも印象的だ。KiDは海苔が好きなので嬉しい。

子羊のロースト　クスクス仕立ては岡部シェフが料理の鉄人で勝った時のテーマ　子羊を題材にしたメイン料理だ。子羊はもちろん羊の味香りがするが臭みとはなっていない。逆に、お皿の到着と供に仄かに漂うカレーパウダーの香りが食欲をそそり、ローストによる香ばしさと恐らくフォンドボーの旨味で円やかになった粒マスタードの爽やかさが混ざり合って、とても美味しい。更に、ここにもピンクペッパーが使われている。爽やかでスパイシーな香りはお肉によく似合う。

このローストによる香ばしさは印象的だった。

子羊に関しては注文の際に賛否があったのだが、フレンチでの位置づけ、子羊なら強い臭みがないことを請け負っていたので、羊が苦手といっていた細が美味しいと言ってくれたのでホッとした。ちなみに、細は粒マスタードも苦手な筈のに何も言っていなかった。ホッ。

付け加えるべきは添えられたマッシュポテトをお肉と絡めると、じゃがいもと生クリームやバターの豊かな味わいが包み、旨味が増すことだ。ピーマンは甘く、よく煮込まれた筋肉もローストとは肉の異なる味わいを同時に楽しめて嬉しかった。
クスクスと唐辛子のペーストは思ったより印象に残らなかった。

バースデーケーキは生クリームがたっぷり掛かったドーム状のもので、花火が添える華やかな演出のものだった。写真は切って取り分けたもの。さっぱりとした甘味で、スイーツをあまり食べない僕もぺろりと食べてしまった。

珈琲も美味しい。

主に大人が楽しんでしまった感はある（苦笑）が、KiDもパンを中心に、海苔、白身魚やマッシュポテト、煮込まれた野菜を食べられたところに成長を感じられたのは親として嬉しかった。

サービスはしっかりと料理の説明もしてくれて、タイミングを推し量った気持ちの良いものだった。義父はこうしたサービスに詳しく、皿の重さを量って、これは大変だと言っていた。フォークやスプーンは籠に入っているなど、人件費を抑える工夫がされている。

非常に高価な料理を提供するレストランとは異なるが、リゾート地の、カジュアルだけど、美味しい料理を提供してくれるお店だ。価格を考えると、十分以上の満足を得られることができた。

但し、今回は平日のお昼の時間帯を若干外し、予約をしていったことが良い印象に繋がったとも思う。星の王子様と子供の来店も許すコンセプトのお店であることを考えると、ハイシーズンの連休では今回のような、ゆったりした時間の中で過ごすことは難しいだろう推察を添えておく。