自身の目で食べたい鮮魚を選び、すぐに食べることが出来る : まるいち食堂

◾︎2016/5
神奈川県三浦市の三崎港の商店街にある魚屋さん直営の海鮮料理屋さん
ここ三崎港では「くろば亭」と双璧をなす屈指の人気店である

営業時間は、平日11:00～18:30(LO17:30)(座敷は16:00)、土日祝11:00～19:00(LO18:00)
第三月曜日は15:00終了
因みに魚店は10:00〜18:00らしい
水曜定休

3つの建物で構成されている
左から、魚店の建物、真ん中が直営食堂(座敷専用)、右側が直営食堂(テーブル席)

まるいち魚店は1954年頃創業と言うから、60年以上の老舗となる
その頃の三崎港は、世界初のマグロ遠洋漁業基地として、当時の銀座以上の賑わいをみせていたとのこと
料理屋には長嶋茂雄や石原裕次郎の色紙が貼られていたとか
しかし栄枯盛衰、他の港に日本一を譲り、今に至る
因みに、まるいち食堂は2004年創業

魚店に三崎周辺の獲れたて地魚が並ぶ
イシダイ、カワハギ、ホウボウ、イナダ(ブリ・ハマチ)、鯛、えぼ鯛、平目、カレイ、メジナ、サバ、アジ、かます、だつ、タコ、イカ、カサゴ、手作いか塩辛などが並ぶ
途中で軽トラックが追加の魚を少々持ってきていた
また店頭や壁にはアジ、だつ、サバ、スズキ、カレイ、サメなどが干物になっている
価格は殆どが時価のようで値段表記はない
昔は兎も角、今では持帰用の販売は殆どターゲットとしていないようで、食堂施設の一部と考えて良いだろう
確かに客層は殆ど観光客であり、お土産なら市場で購入する場合が殆どなのだろう

連休中日の平日11:30に伺った
店外に椅子が置かれており、18名ほどのお客が待っている
立って待つ客もいる
入口にある名簿に名前を記入して並ぶ
しかし回転率がとても悪く、平日なのに既に1.5時間待たされてやっと中に入れて頂く感じ
他日ならもっと待ったかも知れない
外で待っている間に注文を取ると回転率は上がるず
因みに食後に店を出たのが13:30頃だが、待ち行列は10名以下となっていた
ちょうどピークタイムに並んでしまったという事だろうか
確かにランチのピークタイムを過ぎると空くだろう
しかし魚の在庫量が減ってくるため、注文できる選択肢が絞られる
また鮮度も確実に落ちるはず

外にあるラジカセで店内外にBGMを流している
ナット・キング・コールのノンビリした音楽が待たされている客の心を和ませる

座敷側建物に通され玄関で靴を脱ぐ
靴は店員さんが下駄箱に片付けるからそのままで良いとのこと
当時は贅沢な造りであったろう大正〜昭和初期の古民家がそのまま利用されている
手前左の座敷(個室)は4名テーブル1、奥の座敷は4名テーブル3
壁には扇風機、床の間、ちゃぶ台
天井も低く、部屋間を移動する際に頭をぶつけてしまった…
狭くこじんまりとしているが、何故か落ち着く
何だか皆さん静かにお上品に食べてられており、大声だして賑やかに食べる雰囲気ではない
回転率が悪い理由は、ノンビリと寛いでしまうからかも知れない
2階は上がれないようなので、客室としては使ってないのかな
トイレはかなり古い
ほうじ茶とお水はセルフサービス
店内禁煙

奥座敷テーブルを確保し、座布団に座る

隣のまるいち魚店で、自身の目で確認して食べたい魚を選び、まるいち食堂で調理したものを食べることが出来る「究極メニュー(ツーオーダーシステム)」がある
これがこの店の最大のウリ

主なメニュー(外税表示)は以下
【定食】
まぐろ地魚定食1300円
まぐろ中とろ赤身定食1300円
地魚3点盛定食1500円
まぐろ3点盛定食1500円
特選5点盛定食1800円
すべてに御飯、アラ汁、お新香、小鉢が付く
【おすすめ】
さば塩焼き650円
かます塩焼き850円
さば煮付け750円
かわはぎ煮付け750円
めじな煮付け750円
【一品】
まぐろの目玉煮650円
まぐろの玉子煮(魚卵)500円
まぐろのワタ(胃袋)煮込みさ500円
まぐろタレ焼き750円
地ダコブツ切り500円
地サザエ焼き(小4個)1000円
三崎魚河岸 いか塩辛350円(持帰用の瓶詰600円)
【盛合せ】
まぐろと地魚の盛合せ
2人前2600円、3600円
3～4人前 4500円
5～6人前 6000円
まぐろの盛合せ(2～3人前)3800円
地魚のみの盛合せ 3800円
【究極メニュー(ツーオーダーシステム)】
刺身 魚代+250円より
焼、ボイル 魚代+300円より
煮付け 魚代魚代+350円より
上記以外もしくは大型魚の調理 魚代+500円より
混雑時は注文を受けない場合あり
【御食事】
1人前(御飯、アラ汁、お新香)400円
御飯200円
アラ汁150円
御飯大盛50円増
【コース】
得々コース(刺盛2人前、焼物、小鉢、御飯、アラ汁、お新香) ペアコース4800円
ファミリーコース Aコース5000円 Bコース5500円
おまかせコース
刺盛 2000円/名
刺盛+煮物か焼魚 2500円/名
【飲み物】
生ビール(アサヒスーパードライ)550円
瓶ビール(ハートランド)650円
ノンアルコール(キリンフリー)450円
日本酒 真澄650円
日本酒 天狗舞850円
ウーロン茶200円

観光地なのに全体的に安い印象だ
公式LINEで予約が出来るようだ
LINEで友達追加するとクーポンで1品サービスがあったりするそうだが、今もやってるか定かではない


地産地消にこだわっており、地魚だけでなく、地野菜も使用しているらしい
化学調味料は極力使用しないとか

「今日の定食の地魚は？」とお聞きしたが、特定の魚ではなくオマカセのようだ
朝市で朝獲りした地魚を確保しているようだが、注文したタイミングでの在庫を見つつ店側でどの魚を使うか判断するのだろう
それもまた、いとをかし(趣きがある)

まぐろ3点盛定食(御飯大盛)を注文した
その後、魚店に戻って本日のお勧めのかわはぎ(900円)を究極メニュー(ツーオーダーシステム)でカワハギの姿造として追加注文
その場で料理法は聞かれなかったが、どう料理されるのかな？

さてさて、まずはまぐろ3点盛定食が来た
刺身は冷凍メバチマグロの大トロ、中トロ、赤身が各3～4枚づつ
15mm厚とかなり厚めに切られており、メニュー写真で見ていた以上にボリューミーだ
大トロは少し筋が多めの部位だが、脂のノリはまあまあで、口の中でトロけて舌を楽しませてくれる
中トロ、赤身もなかなか美味しい
ただ気になったのは解凍具合
トロは解凍しすぎで少し柔らかく、更にドリップが多く出ており水っぽい
逆に赤身のみ冷凍感が残っていた
マグロブロックを30°C以下の塩水に入れて大まかな解凍をした後、余分な水分を拭き取り、冷蔵庫で6〜8時間(スーパーで買う再冷凍さたサクなら2〜3時間)ほど寝かせながら更に解凍してゆき、解凍具合を確認して取り出すと美味しく解凍できるらしい
しかし手間を省くため、塩温水のみで解凍し切っているのではと感じたが、これは飽くまで想像の域を脱しない

大根ツマもタップリ
地産地消を謳っているので、三浦大根を使用しているのだろう
シャキシャキと鮮度抜群で美味しい


少し遅れてカワハギの姿造りが来た
地魚なので天然活け締めだろう
まるでふぐ刺しのように薄造りに切られた刺身を肝醤油で頂く
肝は臭み無し
弾力ある淡白な白身がねっとりコッテリに変化する
もちろん鮮度も最高だ
絶品！

御飯は米質普通、炊き方固めで良し

アラ汁は魚頭が入ったもので、刻ネギたっぷり
出汁も充分
なかなか美味しい

サービス面は皆無なので期待しない方が良いだろう
客が帰った席の片付けを直ぐに行わないため、回転率の低下に繋がっているように感じた

鮮度良く、ボリューム感抜群、そして観光地にしては比較的安いと感じた
待ち時間がもう少し短ければ、何度でも伺いたい
しかし他店でも(少し高いが)同様に新鮮な魚介類が食べられる
そして待ち時間は無し
どちらが良いのか悩むところだ