ほんわり暖かな雰囲気、時がゆったりと過ぎる吉田町のBar。季節のフルーツカクテルは、いつ飲んでもハズレなし！ : Bar Fortune

［神奈川県横浜市］ [来訪回数：13回]
2016/11/5（土）更新
野毛と関内の中間、吉田町にあるバー。

JR関内駅から南西側に歩くこと 5～6分。JR桜木町駅からも徒歩圏内。
伊勢佐木町と野毛とを結ぶ吉田町（よしだまち）は、知名度こそいささか低いが、
老舗飲食店とバーに恵まれた、大人のためのエリアだ。

都橋の東側にある三角地帯、鶏肉専門店「梅や」と同じビルの2階。
関東大震災・戦災の教訓を踏まえ、1952年に建てられた防火建築（鉄筋コンクリ4階建）がいまだ現役。
窓側は全面オープンで、温かい光が外へ溢れ出している。

階段を上り店内に入ると、紺のベストを着こなした女性マスターが、
自然体で出迎えてくれる。
私よりちょっと年上、さっぱりした感じの方である。

カウンター8席、4人掛けテーブル×2卓、ちゃぶ台 4人席×1卓。
喫煙OK。

縁側に出した「ちゃぶ台」のような、小上がり席がとても個性的。
バーというと一人のイメージだが、3～4人のグループでわいわいやるのにも良い。

BGMはジャズやボサノヴァなど、マスターがそのときの気分でかけている。
それと、無音でテレビが流れている。たまに映画のDVDだったり。

通りに向かって大きく開いた窓もさることながら、店内の柔らかくて明るい照明が特徴的。
オーセンティックバーにありがちな、ストイックな雰囲気は皆無。

店内にスライム（仲間含む）が25匹おり、
私が今までのバーの中でもっとも多いことも、特筆に値する。

家飲みするように長居できる、ゆるい空気感が魅力の店。
バーというより、夜カフェを訪れたようだ。

カクテルのメニューがあるので、バーに慣れていなくても大丈夫。
「食堂」として免許を取っているだけあって、フードメニューも充実している。
ぜひ、乾きものだけじゃなくて、料理を注文してみてほしい。

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■お通し（￥100）
￥100とは思えない気の利いたお通しで、毎回楽しませてくれる。

◎生ぶどう on クラッカー
　軽い食感のクラッカーに、2種のクリームチーズと生ぶどうを乗せたもの。
　ほのかに甘くて食べやすく、誰にでも好まれそうな味。
　このあたりのチョイスは、女性バーテンダーさんらしい感性だと感じた。

◎プチ・マルゲリータ
　小さいとはいえ、￥100で手作りピザを出してくれるのだから驚きだ。
　タバスコかけて、パリパリと。

◎野菜の冷製ポタージュ
　暑い夏の日には、こんなお通しも。
　よく冷えていて、人参の甘さが優しい。

◎そうめん
　なんと！　確かにそうめんの季節。いいなぁ、この感じ(^-^)
　オクラ・鰹節をトッピング。つるつる～

◎三浦の茶豆
　神奈川県・三浦半島は野菜の宝庫。
　特に何ということもない地味な見た目だが、これがすごく甘い！

◎サラミのオープンサンド
　ほろりと崩れるチーズに、バジルマヨネーズの風味が効いている。
　オープンサンドというのが、にくいね～。

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■ジントニック
　爽やかなライムの酸味に、ジンのボタニカル（香り付けの植物）が香る、キリリとした味わい。
　やはり最初の一杯にふさわしい。
　さっと飲み干すと、「ペース、早いですねぇ」とマスターの笑顔。

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■グレンフィディック12y・ハイボール
　この店のハイボールはしっかり濃くて、香りは抜群！
　安酒場のハイボールしか知らない人が飲んだら、きっと腰を抜かすだろう。
　私が今までに行ったことのあるバーの中で、最も濃いといっても過言ではない(´▽`)
　マスターの、このサービス精神が素敵です！

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■ジャック・ター
　横浜生まれのカクテル。
　75.5度もあるロンリコ151（ラム）と、サザンカンフォート（ピーチ系リキュール）、
　フレッシュライムジュースで味を引き締め、ミストスタイルでの提供。

　名前の由来は「水兵」とのこと。
　水兵の酒であるラムが使われているのはもちろん、甘くなくさっぱり。
　荒くれ者をも沈める、この強さ。
　まさに、ミナト横浜にぴったりなカクテルである。

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■バンブー
　横浜・ホテルニューグランド生まれのカクテル。
　ドライベルモットとシェリーをミキシンググラスで合わせ、オレンジピールで香り付け。
　ほのかなグリーンとドライな飲み口が、竹のイメージ。

　ひんやりとして、度数も低めなので、するする喉の奥へと落ちる。
　普通は小さめのカクテルグラスで提供されるものだが、こちらでは大きめのグラス。
「自分がたっぷり飲みたいので」と、さすがは酒呑みのマスターである。

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■ヨコハマ
　言うまでもなく、この街で生まれたカクテル。
　ジン・ウォッカ・オレンジジュースにグレナデンシロップをシェイク。
「赤い靴」ではなく、横浜港の夕日をイメージしたカクテルとされている。
　すっきりと飲みやすく、後味も良い、さすがは名レシピ。

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■チェリーブロッサム
　こちらも横浜生まれ。大正時代に考案されたというから、驚きである。
　チェリーブランデー・通常のブランデー・オレンジキュラソー・レモンJ・グレナデンをシェイク。
　かなり甘口と聞いたが、ええ、私これくらいは全然大丈夫。後味はさっぱりだ。

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■オリジナルカクテル「ビタースパークル」
　バックバーに、カンパリカクテルコンテストの受賞楯を見つけたので、「それ」をお願いする。
　コンテストの応募条件は、カンパリと、ほか2種類の材料だけで作るという厳しいもの。

　編み出したレシピは、カンパリ＋クランベリー＋トニックウォーターを組み合わせたロングカクテル、
　カンパリの美しい赤色、飲み飽きない甘苦さという持ち味を殺さず、
　甘・酸・苦という三味を、炭酸ですっきりまとめている。
　ひとことで言えば、すっと素直なカクテル。最初に頼む一杯としても最適だろう。

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■オリジナルカクテル「ラ・フルール」
　シャルトリューズとローズシロップをシェイク、タンサンでアップ。
　ありきたりでない、独創的なレシピである。
　草原に植物が絡み合い、棘ある薔薇を頂点に咲かせたような…
　複雑な香り、甘味と酸味が交じり合う。

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■かぼちゃのカクテル
　ハロウィンの季節、フルーツカゴにカボチャがあったのでカクテルをお願いしてみた。
「おっちゃんかぼちゃ」という、小型だけれど甘いカボチャを使用。
　下茹でしたものを、フードミキサーで丹念にすり潰す。仕上げにシナモンを振り掛ける。
　天然の甘さを活かした、大人のデザートカクテル。
　カボチャらしい、ザラザラした食感が残っていて、そこがまた良い。

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■サマービュートとホワイトラムのカクテル
　すももの新品種。果実はとても大振り。黄金色の身は甘くて、皮は驚くほど酸っぱいという。
　おお、これは身体の芯まで届く酸っぱさ！
　ビタミンたっぷりで、酒飲みの身体に嬉しい。

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■チョコもなかジャンボ
　最近、店主が開発したという新レシピ(^-^)
　ダークラムをベースに、卵黄リキュール「アドヴォカート」、バニラリキュール、チョコレートリキュール等を使用。
　板チョコを砕き、滑らかになるまでミキサーで撹拌して出来上がり！

　パリパリとチョコが砕ける食感が、なるほどアイスモナカ風(^-^)
　カカオ含有率の高いビターチョコを使っているから、甘いといっても大人の味。
　きちんと美味しいデザートカクテルである。

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■国産牛ビーフシチュー
　こちらのバー、フードメニューが充実している。
　1年前より充実しましたねと言ったら、「趣味の店ですから…」と返された（笑）
　今回は国産牛ビーフシチューをオーダーしたが、肉がゴロゴロ入って、満足度は高い。
　趣味のレベルは確実に超えている。

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■新じゃがアンチョビバター（￥600）
　クラッカーにディップを付けるイメージで、溶かしバターを厚切りポテトに絡めていただく。
　ボリュームもかなりあり、この一品で最後まで飲み続けられる。

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■セブンシーズ
　高知・菊水酒造のゴールドラム。
　高知は、沖縄以外で初めてさとうきびの栽培に成功した県だという。

　今回はロックでオーダー。ダイヤモンドカットの氷も美しい。
　黒潮町産のさとうきび「黒海道」をブレンド、アメリカンホワイトオーク樽で 3年熟成。
　芳醇な香りで、しっかりラムの香りがする。国産ラム、目が離せない。

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■シングルモルト「ブルイックラディ・インフィニティ」
　シメに一杯、ストレートでお願いする。
「メジャーカップできっちり計るの、嫌いなんですよね…」
　といって、ショットグラスにいっぱい注いで下さる。素晴らしい(^-^)

　確かに、他店ならダブルに近い量。
　アタックは強くないが、香りが重奏的で、余韻が残る。
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時は深夜へと向かい、店内は徐々に賑やかになっていく。
3時間以上長居したこともあるが、それでも全く違和感のない心地よさ。
吉田町って、いいところだな(^-^)

3杯程度いただくと、チェックは￥3000～3500程度で収まる。
ときどき「こんなに安くて大丈夫なの？」と思うことも。

気取らず、そのままなキャラクターのマスターも味があるし、良い店だ。
実は10年目を迎えた中堅組というのも、分かる気がする。
今度は、チョコマティーニをいただいてみたい。