善通寺饂飩大全(32) 全国チェーン「饂飩の四國」の総元締め : 善通寺・四國館

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3.8

~¥9991人
  • 料理・味4.2
  • サービス3.4
  • 雰囲気3.4
  • CP3.0
  • 酒・ドリンク-
2015/01訪問1回目

3.8

  • 料理・味4.2
  • サービス3.4
  • 雰囲気3.4
  • CP3.0
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

善通寺饂飩大全(32) 全国チェーン「饂飩の四國」の総元締め

 香川県中西部に位置する善通寺市には、個性的なうどん屋が仰山ありますが、店舗規模がずば抜けて大きいのがここ「善通寺・四國館」。道路側には店名を書いた巨大な石柱があり、建物の前では10連水車が廻っています。昔小麦を水車で搗いていたことに因んでいるんでしょう。水車の上には「四国八十九番札所/うどん處」っていう垂れ幕もあります。

 この店、今は常に閑散としていますが、嘗て団体旅行バスが出入りしていたため、駐車場は広く、団体客向けの広~い食堂は勿論、団体客用の広~いお土産売り場、それに、讃岐うどんの歴史に関する展示物や骨董品売り場もあり、うどんができるのを待つ間楽しむことができます。

 団体旅行バスが流行遅れとなり、うどん巡りも団体から、個人旅行が主体となったため、このお店は時代の波に取り残された過去の遺物のような存在です。

 しかしこのお店、実は、北は札幌から東京・阪神地区の一等地に「饂飩の四國」という名前の直営店を20数店舗の総元締め。それに、イタリアのうどん”パスタ”の店「壁の穴」という関連会社もあります。
 これらの全国にある「饂飩の四國」の“支店達”、食べログで読む限り、何れも評判は決して悪くなく、好評価を得ているお店ばかりです。唯一の例外は、県内唯一の出店である”善通寺駅前店”。要するに、地元香川では受けが芳しくなく、都会では評判の良い店っていうことになります。
 かなり前に大阪梅田の店に行ったことがあるんですが、店舗も綺麗で、うどんも大変美味しゅうございました。なんといってもここのお店、うどんに対する拘りが強く、塩は瀬戸内海の天然塩、小麦粉も国産、良質の小豆島産醤油、伊吹島のいりこと、讃岐うどんとしての最良の素材を使用しているんで、不味い訳がありません。問題は、価格。観光地価格なんですね。

 そういう吾輩も、地元民でありながらすっかりご無沙汰しており、以前行ったのはいつだったかなあ、ってな感じです。

 久しぶりに行ってみると、昔は沢山あった御品書きが、“釜あげうどん”だけになってしまっておりました。
「純生・釜あげうどん」580円と、それに炊き込みご飯がついたセット780円のみ。
 そして、この釜あげうどんも、注文をとってから茹でるために、15分待たなければなりません。

 その間に、おばさんが持ってきた「食べ方マニュアル」を読みます。その内容は、下記の通りです。
  ① 釜揚げうどんがでてくるまでに: 卵と薬味をとんすいに入った“つけつゆ”に入れて混ぜる。
  ② うどんがきたら: うどんを“つけつゆ”に入れてお召し上がり下さい。
  ③ うどんを食べ終ったら: 鍋の煮汁を“つけつゆ”に入れて、お飲みください。
                味が薄ければ、「饂飩の四國」特製の醤油を足す。

 茹であがるのを待つ間、マニュアル①に従って、卵と薬味(刻みネギと大根おろし)をつけつゆに入れ、テーブルの上にある、「饂飩の来歴」や「和食の効用」なんていうチラシやら、江戸時代のうどん店を復元した人形やら、歴史資料館にありそうな「小麦と文明」などという詳細な小麦の歴史に関するパネルやら、ここの支店の一覧表(全国に50店舗もある!)やら、お土産売り場を眺めるやらして時間を潰します。
 そうそう、善通寺駅前店と同じく”狸”の絵も飾られております。もし吾輩がここの社長さんならば、吾輩似の可愛い(?)”狸”をお店のトレードマークにしますね。但し、お好み焼きの道頓堀のポンポコ狸と競合しないような配慮が要りますが・・・と吾輩みたいな資料を読むのが中毒化している者にとっては、この上なく楽しい場所で、色々勉強になりました。
 ここの資料によれば、唐から伝わったときは「だんご」で、時代と共に「混飩(こんどん)」、「餛飩(こんどん)」、「饂飩(うどん)」と変わったとか。このチラシには唐から伝えた人の名前は書かれておりませんが、個人的に地元民として“弘法大師”だと勝手に決めつけちゃいました。

 さて漸く、うどんが茹であがって小さな釜に入ったうどんが運ばれてきます。待っただけあって旨そう・・・ 鍋の上の厚い木の蓋を取ると、中には“釜あげうどん”。うどんの上には橙と鳴門若布がのっています。茹で汁をお玉で掬って飲むと、橙と若布の味がします。釜の下には蠟を燃やすタイプの携帯コンロが入っており、食べ終るまで熱々の状態でした。
 “うどん”は、細めで弾力があり表面が“超”つやつや。うどんを「喉で味わう」には理想的な麺です。3~4㎜程度で、秋田の稲庭うどんと善通寺市内の「百こ萬」の細麺の中間の太さ。一部形が歪なので、手切り麺だと判ります。
 “つけだし”は、大阪梅田店で読んだように、伊吹のいりこと小豆島の良質の醤油。これも善通寺市内の「長田in香の香」の“つけだし”より少し蛋白な味わい。これに、食べ方マニュアル②の指定通りに刻み葱・大根おろしと生卵がいっていますので、丁度ええ塩梅です。
 心置きなくうどんを「喉で味わい」尽くすことができました。うどんの分量も「長田in香の香」の大より少し多い位でした。2玉強です。麺は弾力は強いが、コシが余り強くないんで、食べた後に胃袋にもたれない優しい麺です。
 うどんの分量が略似てる「長田in香の香」の大が350円ですので、ここの580円は高いと感じます。でも、よく考えてみれば、「長田in香の香」が安過ぎるんであって、都会人感覚では適正価格か少し安いレベルでしょう。
 最後に、食べ方マニュアル③に従って、お玉で橙と若布味の煮汁をつけだしの入ったとんすいにとり、甘口の自家製醤油を足して飲み干しました。ごちそうさま。

 吾輩の書き込みが丸亀京極家の”お初さま”であることで判るように、ここの店は、地元民にはすこぶる評判が宜しくないようです。その原因を類推するに、安価な価格に慣れてしまった“うどん県民”が高いと感じる価格(都会では極普通の価格)であること、店構えが、大きく“厳めしい”ので近寄りがたいことにあるんではないでしょうか。
 でも、うどんの出来としては良質の材料を使った“昔懐かしい優しいうどん”であり、つけだしと併せて“上”の部類に属するうどんですね。そしてすこぶるオーソドックスです。うどん県民として、”喰わず嫌い”でいるのは勿体ない気がしました。

  • 善通寺・四國館 - 本物の釜揚げうどん

    本物の釜揚げうどん

  • 善通寺・四國館 - 10連水車の廻る大きな店舗

    10連水車の廻る大きな店舗

  • 善通寺・四國館 - 元祖・・「本物」釜あげうどん製造直売所

    元祖・・「本物」釜あげうどん製造直売所

  • 善通寺・四國館 - メニューは釜あげげうどんのみ

    メニューは釜あげげうどんのみ

  • 善通寺・四國館 - 道路沿いに大きな石碑

    道路沿いに大きな石碑

  • 善通寺・四國館 - 石碑の下にはうどんの由来の碑

    石碑の下にはうどんの由来の碑

  • 善通寺・四國館 - 広いお土産売り場もあります

    広いお土産売り場もあります

  • 善通寺・四國館 - 団体さん用席

    団体さん用席

  • 善通寺・四國館 - 個人客用席

    個人客用席

  • 善通寺・四國館 - 善通寺駅前店と同じく、”うどんと狸の絵”が

    善通寺駅前店と同じく、”うどんと狸の絵”が

  • 善通寺・四國館 - 江戸時代のうどんやさん

    江戸時代のうどんやさん

  • 善通寺・四國館 - 江戸時代のうどん作りの様子を人形で再現

    江戸時代のうどん作りの様子を人形で再現

  • 善通寺・四國館 - メニューは、純生・釜あげうどんのみと、潔い

    メニューは、純生・釜あげうどんのみと、潔い

  • 善通寺・四國館 - 釜揚げうどんの食し方マニュアル

    釜揚げうどんの食し方マニュアル

  • 善通寺・四國館 - うどん(饂飩)の名前の由来

    うどん(饂飩)の名前の由来

  • 善通寺・四國館 - 小麦の由来まであります

    小麦の由来まであります

  • 善通寺・四國館 - ”饂飩の四國”の店舗一覧表

    ”饂飩の四國”の店舗一覧表

  • 善通寺・四國館 - 昔は沢山メニューがありました

    昔は沢山メニューがありました

  • 善通寺・四國館 - 釜あげうどんが来る前に、来店者名簿用紙が来ます

    釜あげうどんが来る前に、来店者名簿用紙が来ます

  • 善通寺・四國館 - 日本食の効用の案内もあります

    日本食の効用の案内もあります

  • 善通寺・四國館 - 先ず、つけだしと薬味がきます

    先ず、つけだしと薬味がきます

  • 善通寺・四國館 - 薬味をつけだしに入れます

    薬味をつけだしに入れます

  • 善通寺・四國館 - ようやくうどんが到着

    ようやくうどんが到着

  • 善通寺・四國館 - 中には、橙と若布が入っています

    中には、橙と若布が入っています

  • 善通寺・四國館 - 頂きます。

    頂きます。

  • 善通寺・四國館 - 完食。御馳走様でした。

    完食。御馳走様でした。

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Franz-Josef

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店舗基本情報

店名
善通寺・四國館
ジャンル うどん
予約・
お問い合わせ

0877-63-4591

予約可否

予約可

住所

香川県善通寺市与北町1002

交通手段

善通寺駅から2,486m

営業時間
    • 09:00 - 17:00
  • ■ 定休日
    無休、年始、お盆

営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

予算(口コミ集計)
~¥999

利用金額分布を見る

支払い方法

カード不可

電子マネー不可

席・設備

席数

600席

個室

駐車場

特徴・関連情報

利用シーン

知人・友人と

こんな時によく使われます。

初投稿者

Franz-JosefFranz-Josef(172)

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