とってもステキカフェ。犀川を眺めながら、“夢を見てます”。そうかあ、すべてこの世は夢。うつつは、幻。 : カフェ・ド・レヴェリー

金沢に来ています。

小松空港到着後、すぐにじぶ蕎麦を食べて旅の１食目。そのあと、多分この日の一番のイベントになるはずの野々市にある太平寿しを訪問し、ランチで２食目が終了。

今回ほど計画がほとんどない旅行も珍しいです。いつも気まぐれですので、突然アレが食べたい症候群が発症するかも分かりません。防衛策として、行く可能性のありそうなお店のコピーをとって持参してます。お店の数、およそ２０軒。なんとか気まぐれがこの範囲でおさまりますように。ランチを食べ終わり、チェックインでもしておくかな。

ホテルは当日予約はきついので、金沢の片町にあるホテルを予約してます。野々市からホテルまで直行すると、明らかにチェックインタイムより前に到着してしまいます。田舎にあるホテルなら黙ってお昼ごろからチェックイン出来るでしょうが、果たして片町のこのホテルはどうなんでしょう。じゃあ、その前に茶～でもしていこうか。

キャリーカートからクリアファイルに入ったコピーを取り出します。パラパラとめくって、ここがいっか。コピーには、即決できるようにコメントを入れてます。

茶。遠い。

いいじゃないですか、遠くて。キルタイムにはもってこい。たしかこのお店は、ぽっちゃり姫さんがＵＰしていたんだよな。水辺のカフェ、だって。

太平寿しの駐車場でナビに住所を入れて出発。金沢郊外の景色を楽しみながら、とろとろと車を進めます。およそ２５分で着きました。え～、これっ？

倉庫ですね。これほど倉庫っぽい倉庫もそうはないでしょう。左手には駐車場の区画のような線引きがされているところがありましたので、そこにレンタカーをとめます。倉庫の前まで行くと、確かにＷｅｌｃｏｍｅなんとかと描かれたステキな絵が椅子の上に置かれてます。営業中のようですね。

正面は白くペイントされていて、ステキな木のドアが見えてます。うんうん。ここまで入ってくれば、カフェっぽい感じですね。じゃあ、入って見ましょうか。

ドアを開けて、店内を見てびっくり。サプライズでした。だって、席が目の上にあるんだもの。

正確に言うと、このお店はフロアが階段状になっているんですね。一番下のフロアに厨房があって、２階と３階に席があるんです。３階部分は一面ガラス張りになっていて、眺めがよさそうな感じ。だって、入口から階段をのぼっていくわけですから、倉庫の上のほうに席があるってことですよね。

入口の左にある厨房にはオネエサンが一人。先客のオーダーしたものを作っているようです。あいさつをして、

あの上のほうの席に行っていいですか？

お好きな席にどうぞ、と言われましたので、そりゃあ高いところが好きですから。のぼっていくと、テーブル席が３つ。右はソファになっていて、先客の若い女性が二人で仲良くソファに座ってトークを楽しんでます。それじゃあ、こっちは一番左の席に座りましょうか。

おお、目の前は川ですね。飛行機があんなに揺れた梅雨前線が来てますので、川の水は水量を増し、茶色に濁って勢い良く流れていきます。風も強く、マドの外のすぐ近くを飛ぶカモメも風に飛ばされるのを楽しんでいるようです。ここかあ。水辺の近く、その通りです。

サイトでお店を見つけたとき、カフェ・ド・Ｒｅｖｅｒｉｅってｒｉｖｅｒのことかなって、思いました。川のカフェ。ただ、もうエンジニアの仕事をこれだけ永くやってますと、らしい、というのはどうも気持ちが悪い。本当にそうなのか、調べたくなるんです。自動的に。翻訳サイトにぶち込んだら、

夢を見る

ですって。ほらね。らしい、はアテになりません。このステキなカフェの中。うん、夢と言われれば夢かもしれないな。朝まで千葉にいたんだし、夢でなければここにいるはずないか。夢にしては、おなかいっぱいですが。

オネエサンが水をもって来てくれました。

この水は、海じゃないですよね。

座っている席の左の窓からは、繋がれた漁船が何艘も見えているんです。カモメもいるし。海の水がこんなに流れるわけありませんので、お訊きしました。このお店の前にあるのは犀川で、右手のほうに見えるところはすぐ日本海だそうです。ロケーションもいいところですねえ。

メニューを拝見。カフェっぽいかわいらしいメニュー。そういえば、お店のＨＰもかわいい感じでしたね。

“人は時にふと一人になりたいと思うときがあります。でもそんなとき、大切な誰かや自分の未来を想ってみてください。・・・・・・・”

そんな言葉が載せられてます。お店のコンセプトです。うん、お店のデザインに合ってるなあ。

ティーとコーヒー（丸山珈琲）と軽食。かなりのこだわりがうかがえます。何か飲んで食べたい気持ち。このようなすばらしい癒しの空間を提供してくれてますから、それに見合ったお金を使いたい。でもおなか一杯。コーヒーの中で高いものをオーダーしましょうか。って、もともと全部安いし。

季節のスペシャルブレンド（６５０円）
（グランクリュ特別畑を使用した贅沢ブレンド）

外は激しい風。雨は小雨になってます。濁流はたいへんな勢いで流れて。カモメが群れて遊んでますが、ときどきカラスが追いかけてます。やっぱり夢かあ。

コーヒーが運ばれて来ました。ネルドリップです。カップに注いで。

いい匂いが立ち上がってきます。このコーヒーは、爽やか系ですね。程よい酸味と程よいコク。突出するものがなく、苦味も品があります。うまい。ケーキ、いいっすね。どの種類のケーキも合いそう。パンケーキなんかもね。

ゆったりと過ごす金沢の昼さがり。たっぷりと休憩して、そろそろ宿にいくかな。精算の時、お店のオネエサンと話しました。オーナーさんですね、きっと。話がはずみます。そうそう、これが訊きたかったんですよ。

倉庫を上手に使って感心しました。どうして、このような階段状にしようと思ったんですか？

階段状にすれば、一番上からだと見晴らしがよくなるので、という答えを期待してましたが、違いました。もう少し現実的に、倉庫の空間体積があまりにも大きすぎて空調のランニングコストが大変。それで、体積を縮小するために、こうしたんだと。なるほどねえ。建築家ってやっぱりすごいわ。

また、絶対に戻ってきたいお店です。小松空港から金沢に入る前に立ち寄れるロケーションですね。再会を約束してお店をあとにしました。