イタリアンの激戦区つくばに名乗りをあげた新店Ｌｉｎｅａ。手際よい所作を見せる店長の生パスタがうまい。 : リネア

新店情報を漁っておりましたら、つくばにまたイタリアンが出来ていました。茨城県の中ではお店を出す意欲を掻き立てる街なんでしょう。気がつく毎にどんどんお店が入れ替わっていて、一躍人気店の中に割って入るお店もありますし、またそうではなく期待とはうらはらに沈んでいくお店も少なくありません。自然淘汰同様に厳しい世界です。食べる側にとってはまた新しい何かに出会えるというわくわく感があって、新店の響きは訪問の大きなきっかけになります。

お店の場所を確認すると二の宮ですね。まさにつくばの中でも有数の激戦区です。じゃあご挨拶がてら久しぶりにつくままで行くかな。拙宅から２５ｋｍ－３０ｋｍ圏内ですので、やはり遠征するにはそれなりのモチベーションが必要です。この時は、生パスタが食べられることに惹かれました。手打蕎麦、手打うどん、自家製麺、生パスタの文字に著しく反応してしまいます。

雨の日でした。くじけそうになる気持ちを奮い立たせての出発。途中事故渋滞に巻き込まれ到着したのは正午過ぎになってしまい。駐車場はかろうじて空きが１台分あって滑り込みでした。お店はビルの１階にある集合店舗のうちのひとつで、ケーキ屋さんとかイタリアン！が並びにありました。入り口にはドアより背の高い黒板があって、イタリアで修行を積んだシェフの本場のお料理をお楽しみください、とのメッセージ。

入店。一杯入ってますね。カウンター席は無人でしたがテーブル席は全部埋まってます。こっちはお一人様ですので全く問題はありません。そのうちカウンターも全部埋まり、待ちができていました。

カウンター席の前は横に長い厨房です。シェフが小さなフライパンをあおってます。間近なので、ライブショーみたいですよ。オネエサンからメニューを渡されます。

自家製フォカッチャ、前菜、飲み物付きで、肉か魚のプレートが１３００円、生パスタが１２００円。目当ての生パスタは、５種類。一見して、さあ困った。好みのクリームパスタが５種類の中に入っていません。ジェノバソース、トマトマリナーラソース、トマトクリームソース、オリーブオイルのビアンコ。う～～ん。どうしようか。ならば、セカンドチョイスで“ブログ用の見栄えのいいパスタ”で。

具の材料を見ると、ペンネアビアータはマスカルポーネ添えですので、トマト色とチーズですね。ジェノバソースはじゃがいもとアンチョビ、絵的にはちょっと。トマトクリームソースはアマトリチャーナってこれも確かソースの名前？落合シェフのアマトリチャーナって聞いたことがあります。フレッシュトマトのボンゴレビアンコ。これはアサリですから、これにしようかな。トマトマリナーラソースはわたりがに。この値段では、渡り蟹の身や甲羅はないんじゃないの。困った時はオネエサンに聞きます。

あのお、ブログ用に見栄えのいいパスタを食べたいのですが。どれが一番おいしそうに写りますかねえ。

美人オネエサンは困った顔をしたので、訊きかたを変えます。この渡り蟹は蟹の足とか甲羅とかも入っていますか。ＹＥＳとのことでしたので、これに決定。ついでで申し訳ありませんが、店長が手がすいたときに、店内の写真をブログ用に撮っていいかきいてください。こっちもＹＥＳでした。聞けばたいていＹＥＳと撮影は許可されます。

前菜は３種。どれもおいしかったのですが、ちょっといくらなんでも量が少ないなあ。こういうものはお上品に一口で、の考えもありますが、おいしいだけに２，３倍はほしいところ。まずければこの位の量でちょうどいいのですが。現在つくばで１番人気のあるイタリアンの前菜と比べれば、これはもっとがんばっていただきたいです。

パスタは、これはメッチャうまかったです。聞いていた通りに渡り蟹がお姿のまま入っていました。ソースが濃厚です。もともとマリナーラ仕立てですから、味はしっかりと決めてますが、トマト、にんにく、アンチョビが絶妙にいい味へと昇華してますね。このソースがまとわりついたパスタがまたうまい。この食感、弾力、コクは生パスタならではのものでしょう。上手に打ってますね。イタリアで修行された成果でしょうか。フォカッチャも合格。

新店ですがオペレーションにはまったく問題がありません。この時はシェフ一人が調理していましたが、手さばきよく待たされる感はありませんでしたね。まあ調理するときの動きがいいですから。つけ麺日本一の松戸にあるとみ田の富田師と相通ずるところがありますよ。

このお店、ローリングスケジュールの仲間入りです。