スープは１種類になっています : ベンベラ・ネットワークカンパニー

狸小路６丁目にある【シアターキノ】で映画を見る前のランチとして訪れました。
13:20という中途半端な時刻に訪れましたので、すんなりと座ることができました。
店は30代くらいの男女ふたりで切り盛りしていましたが、ご夫婦なのでしょうか。

ご存じの方もいるでしょうが、現在の店主は創業時の店主ではありません。
創業時の店主は岩見沢の【45395】でシェフとして勤務した後、間借りのスープカレー店【ベンベラカリ】をススキノで開業しました。
５年ぶりに訪れましたが、メニューが大幅に変更されていて、６種類あったスープがありません。
投稿されたメニュー写真を遡ると、2020年11月から現在のメニュー体系になったようです。
３種類のメニューはすでに売り切れたようですが、定番のチキンはあったのでチキンベジタブルを辛さ４番（激辛）で注文しました。

出てきたカレーは丁寧な盛り付けです。
そのスープをズズッとひとくちススルと、

「おっ!?　後味に微妙な甘味がある」

スープは予想していたとおり定番のエピローグですが、旨味が増加されています。
この甘味は嫌な甘味ではないので、一般受けを狙ったものなのでしょう。
甘いスープカレーが嫌いな私としては、これくらいなら大丈夫という感じです。
チキンはスプーンで解せますし、野菜の調理も丁寧で、ピーマンにシャキシャキ感が残っていたのも嬉しいです。
なんでもかんでも素揚げするのは嫌いなのです。
４番という辛さは結構辛く、しかも舌に来る辛さでしたので、３番の方が旨味と辛味のバランスが良いと思います。
接客も丁寧で、人柄を慕って訪れる常連客も多いようです。
ご馳走様でした。

初めてここを訪れたのは2002年で、当時は道北に住んでいました。
現在でこそ旭川にもたくさんのスープカレー店ができましたが、当時は片手で数えるほどしかありませんでした。そこで年に数度は札幌まで食べに行っていたのです。
当時のこの店は、いつ訪れても座ることができるというより、他の客と一緒になることがあまりない店だったのです。今でこそ珍しくないテイクアウトですが、2002年当時にスープカレーのテイクアウトをしていたカレー店は珍しいものでした。
私は店内で食べると共に１食分テイクアウトを注文して、道北の自宅に戻ってまた食べるということをよくやっておりました。なにせしょっちゅう訪れることができる距離ではありませんから、１食だけではもったいなかったからなのです。
ちょうどその年の夏に元祖スープカレー本といってよい【カレー賛味】第１号か発行された記念すべき年でもありました。嬉しくなった私はこの店のご主人に、とうとうスープカレーのガイドブックが出ましたねと話しかけると、

「ええ、でも掲載料が50,000円するんですよね～」

という答えが。
そう、【カレー賛味】第１号にはこの店は掲載されていないのです。
ところが2004年頃のスープカレー大ブームが訪れると、行列のできる店になっていました。
道央に戻った私も何度か訪れましたが、開店時刻前に並ばないととてもじゃありませんが相当待たねばならないハードルの高い店になっていたのです。
そんな思い出深いこの店を10年ぶりに訪れました。

12:40頃に訪れましたが、テーブル席はすべて塞がっています。もともと小さな店ですから驚くことではありませんが、週末の昼時にスムーズに入れるのは意外でした。カウンター席に座って女性店員さんから本日のスープの種類の説明を受けます。
この店の特徴は、６種類のスープがあるのですが、常時６種類ある訳ではなく、定番のエピローグ＋もう一品というパターンです。
私は昔からインドネシア風のエピローグが好きなのですが、この日はフュメ　ド　ポワソンという魚介の旨味と野菜とハーブのスパイシーなカレーで、どちらにしようか悩みましたが、フュメ　ド　ポワソンにしました。店の勧めの具は海老でしたが、私はスープカレーに関してはチキン一筋ですのでチキンを注文しました。
出て来たカレーをまずは一口。

「おっ、いける！」

魚介の風味はほんのりしたもので美味しいです。
スープカレーについては、あまり魚介の風味が強すぎるのは好まないのですが、こういうほんのりしたものは、私にとって目新しいもので新たな発見という感じです。
辛さは８段階の中の５番目であるアフターデス（＋150円）ですが、激辛という辛さではありません。しかしこのくらいの辛さの方が味がよく分かるので、昔からこの辛さで食べています。
ライスも目玉焼きが載っていて、なんだかナシゴレンのような見栄えであるのも昔と変わりありませんね。しかもやや硬めに炊かれたライスは、スープとの相性も良く、とても美味しいです。
店内は12年前に訪れた時から何も変わりません。狭くてごちゃごちゃした店内は、東南アジアの屋台で食べているような雰囲気で（行ったことありませんが）好きです。
ご馳走様でした。