呉を象徴するパン屋さん : メロンパン 本店

2016/3月
高校、大学時代の同級生の家は県内でも超有名なパン屋さんで
ガイドブックの呉紹介には必ず名を連ねる。帰省の際には寄るようにしている。

大学は４年間彼のスターレットで一緒に通った。彼のおかげで卒業できたようなモン
アルバイトも一緒に勤めた。
丁度彼の通り道に俺の家があったからだ。
浜省と競馬と阪神が大好きだった。毎日毎日片道１時間のドライブ。
いつもダジャレや小噺を一杯仕込んで、皆を笑わせていた。
同じ経済学部に行っていて、お店のことや将来についてもよく話した。

友達と泊まり込んで夜中まで騒いで、雑魚寝していたら
いつも４時くらいになると彼はむくっと起きだし
「手伝ってくるわ」とパンの仕込みに行った
しばらくすると親父さんが「この役立たずどもめー」と出来立てホカホカのパンを
投げつけて行った。

彼は家業を継ぎ、俺は香川に来た
次に会うのは、彼の結婚式。
「お父さんが突然の病で倒れられたとき、枕元でメモを取り、毎日夜中までパンを焼いて、
お父さんの病床へ持っていきました。しかしなかなかお父さんのようには焼けず
当時は毎食パンばかり食べていました。」
とお母さんのエピソード。泪が出た。彼がそうしたであろう姿は容易に想像できる。

帰省の際に店に行くと、いつもお母さんがいて、時々阪神と競馬の好きなお父さんがスポーツ新聞読んでて
お母さんが工場にいる忙しい彼を無理やり呼んでくれた。
粉まみれで昔ながらの人懐っこい笑顔はグッと痩せて、仕事のキツさを感じた。

その頃からお店が少しづつ改装されていった。
喫茶スペースは工場の一部となった。
「卸してくれないかという依頼がいくつかきているがどうしようか？」ある日メールがきた。
「昔から自分の身の丈でやるって言ってたから自分の眼の届くだけでいいんじゃない？」と返した。

またいくらかの時が経った。

久々に店に寄ると
店内はガラッと変わっていた。
セルフレジになっていた。
POSシステムが入り、コンピューター管理されているようだ。
多くの若者が働き、とても活気がある。
商品は売れ筋が厳選され、商品によってはビニール袋からフィルム包装になり
消費期限が伸びている商品もある。
多くのお店に卸していると聞いた。

お父さん、お母さん、本人の姿はなく、呼ぶのも申し訳なく
買い物をして店を出た。
今もパンを焼いているのだろうか？それとも経営者としてパソコンに向かってる？
とにもかくにも身の丈が大きくなったということはよくわかった。
友達が活躍している姿を見るのは楽しい。
彼に次に会うことができるのはいつだろう？
今年の同窓会で会えればいいけど。

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２０１３年５月　再訪

店内が改装されていました。
以前より狭くはなりましたが、明るくなりました。
いろんな小物が、店のテーマカラーのグリーンに統一されてるのがイイですね。
イマドキの内装ではなく、ちゃんとメロンパンらしさを踏襲した内装です。
新しいんだけど、懐かしい。でも作られた懐かしさじゃなくって。

ブランドコンセプトだとか、マーケティングだとか、そういう言葉に囚われないとこに
このお店の良さが、会社の良さがあり、
それを愛する多くのお客様に愛されているんだなと。

機械もいくつか導入され、多くの人が忙しそうに働く様が見えます。
従業員さんは３０名ほどになったそうです。

ＪＡＮコードがラベルに入っていました。実績管理の為なんでしょうね。

製法や味は昔のままでありながら、少しづつ進化しています。

先日の呉そごう閉店によって、現在は「ゆめタウン呉」に店舗を移動しております。
それと、そごう広島本店Ｂ１Ｆにも出店しております。

訪ねると、友人（社長）は忙しい中、いつものように作業着エプロン姿で粉まみれでニコニコしながら出てきてくれました。
彼のおとうさんも、おかあさんもまだまだ元気で働いています。

１０年先も２０年先もこのままで愛されるお店なんでしょう。再訪が楽しみです。

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この「メロンパン」を１００件目のコメントにしたのは意味がある。

この「メロンパン」社長は俺の友人で高校、大学と共にした仲だ。

彼は非常に真面目で、自分のパンを愛している。

大学時代俺達が飲みつぶれて眠っている横を朝方工場を手伝いに行った。
親父さんが倒れた時、病床でメモをとり、朝から晩まで失敗作のパンをつくり続け
親父さんのノウハウを自分のモノにした。
そんな人間がつくるパンがおいしくないわけがない。
真面目だがウィットに富んでいて子供のような笑顔の彼はおそらく従業員の方々の中でも人気者だろう。
彼の為なら頑張ろうっていう気になるような人間だ。

さて、パンのレポートに戻る。
今の社長で３代続く呉を代表するパン屋さん。呉で知らないものはいない。
呉のお土産にもなっているほどだ。

呉でメロンパンといえば、このパン屋さんのメロン型のパンを指す。
一般的なメロンパンは呉では「コッペパン」と呼ばれる事が多い。
この事はウィキペディアにも記載されている。

店舗は３つ。工場兼本店、呉中通店、広島の福屋デパート。
自分の工場でできるキャパシティでしか作らない、目の届く範囲しか売らない。
この頑なな姿勢で昔からかわらない懐かしいパンを守っている。

パンは重厚感があり、笑っちゃうほどでっかいのもたくさんある。
コストパフォーマンスも非常に高い。
今回はお盆に行ったのでほとんど売り切れだった・・・。

一番人気は「ナナパン」板チョコの入ったパンだ。
あと、コロッケサンドやカツサンド。強烈なインパクトの牛カツサンド。

是非呉に行ったら寄ってほしいお店だ。お腹はしっかり空かせていこう。

８月２３日　
友人より私の好物の牛カツサンド写真をいただきました。