辛いのに優しくて親しみやすいスリランカカレー。現地の家庭の味も楽しめる！ : ヘラ味屋

博多駅から筑紫通りを竹下方面に向かい、竹下2丁目交差点で左折、きよみ通りを歩いていると、
「スリランカカレー」の黄色いのぼりが見えます。どうやら今年(2014年)の1月、スリランカ料理屋さんがオープンした模様です。

福岡でスリランカ料理というと、ツナパハ（または姉妹店のヌワラエリヤ）が有名ですね。
実際、福岡のスタイリッシュな方が気軽にランチとかでこちらのスリランカカレーを味わったおかげで、
福岡では他の都市に比べて、スリランカカレーの浸透度が高い、という話もよく聞きます。

こちらのお店は、ほかでもない、かつてツナパハで働いていたシェフがいるお店であり、他にも鳥栖のライオンカレーでも
働いたことがあるシェフもおり、万人受けするスリランカ料理の腕が確かにあるといえます。
現に、僕は午後1時前の訪問でしたが、スリランカの現地人と思われるお客さんが来ていたほか、
日本の、恐らく近所の、親子連れも来ており、幅広い層に愛されていることが分かります。
特に、子供もおいしくいただけている、ってのは、大変ポイント高いですね。

スリランカカレーというと、ツナパハでもそうですが、様々なハーブやシナモンなどで香りをきかせたルウに、ココナッツと、油分
（こちらではオリーブオイルを使っている）でこってりとさせて、スープ状なのに、旨みがあり、香りもよく特徴的なものであり、
ツナパハはこれらの特性を引き出していましたが、このお店は、ツナパハっぽい一般受けするカレーもありますが、
現地の家庭料理に近いメニューもあり、こちらがまたうまいんです。

竹下周辺在住で、スリランカカレー好きだけれど、ツナパハは遠い、という方がおられたら、こちらがおすすめなのはもちろんですが、
スリランカ料理好きは、「ヘラ味屋スペシャル」という現地味のメニューを味わって、堪能するのがいいと思います。

店内は、まさにスリランカといった感じであり、スリランカの国旗などがあるほか、
風船が隅に設置されているなど、妙にテンション高くしようとしているのが感じられて好きでした。

周囲にも、スリランカ料理について話をしている方がいて、ツナパハの名前を聞いて、天神ならそちらにも
行ってみる、なんて話している方もいましたが、
僕がスリランカ料理を食べ歩いている旨話すと、それならツナパハにないメニューと味を、ってことで、進めてもらいました。
前述の通り、ツナパハでも働いていた料理人なので、あのマイルドながらツーンとくる辛さが味わいたいといったら、
それも作ってくれると思います。
しかし、このお店のオリジナルなメニューを頼むと、またツナパハとはちょっと違ったスパイスや食材の使い方に、
感動できると思いますので、他の福岡のスリランカ料理回られた方でも、こちらには足を運ぶ価値ありますよ、とおすすめしておきます。

今回頼んだのは以下の料理です。

・ヘラ味屋スペシャル\1300
同価格帯のセットは他にもあり、それらはツナパハ風のスリランカカレーのセットになるのですが、
こちらは、ツナパハ風とはちょっと異なる、スリランカの家庭料理の味を再現したメニューなんだそうです。
辛さは、日本人向けに抑え目にすることも可能ですが、僕は現地味で、とオーダーしました。

結果、ココナッツとオリーブオイルのまろやかさで最初は感じない辛さが、ワンテンポおいてしっかりと来る、
この絶妙さに感激しましたね。唐辛子とブラックペッパーなどで、口の中がしばらく燃えるように辛くて、爽快でした。

ご飯と具のプレートと、カレーが別々に来て、お店の方は、カレーをかけて、具を混ぜながら食べてください、と言ってくれました。
どうしても混ぜることには抵抗があるので、少しずつ別々に食べていたら、混ぜるように促してくれましたが、
日本人には混ぜるという習慣がなく、どうも心理的に抵抗があるのですが、
現地味を楽しみたいなら、カレーをかけて具やご飯を混ぜながら食べるのが理想なんでしょうね。

ご飯はターメリックライスで、ブナキチュリを思わせる、ハート型に盛られています。
これに、スリランカカレーに御馴染みの具、鶏肉、ダール（ひきわり豆）、じゃがいもがついており、程よくスパイスで味付けられています。
他にも、オクラのスパイシー和え、パパト（豆せんべい）がのっており、どれもカレーに合います。

あと、サラダとして、たまねぎとトマトのビネガーとペッパー和え、「サンボール」がついてきます。

そして、家庭料理のカレーとして特徴的なのが、カシューナッツ。ナッツ自体にもほんのりスパイスをきかせてありますが、
スリランカの家庭料理としては、カシューナッツのカレーがメジャーなんだそうです。

カレーのルウは、ツナパハで味わうような、スリランカの王道の味わいがベースです。
シナモンなどの香りが高いルウがベースで、お肉の旨み、唐辛子の辛さが、ココナッツの甘味で中和され、
そこにオリーブオイルが加わって、程よいこってり感を与えてくれます。
ここまではツナパハと共通なのですが、このお店は、スパイスやハーブの使い方が、ツナパハと結構異なります。
辛さのききかたも、ツナパハはスタイリッシュにつーんと抜けるのに対して、このお店では、現地風でしょうか、
じんわり来る辛さも結構あり、後味に口の中の辛さが、旨さの後味と相まって、なかなか爽快なのです。

お店の方に伺うと、このお店は12種類のスパイスを使っているそうで、確かに現地風のこだわりを感じます。
ダールもうまいのですが、カシューナッツの食感とカレーの旨みの調和は目新しかったですね。
スリランカの新たな魅力を感じました。

・ホタテのデビル
デビルとは、辛い野菜炒めで、中華料理でいう八宝菜や酢豚のような食感が楽しめる炒め物なのですが、
このお店では八宝菜のスパイシーなものに近いもので、なかなか旨かったです。
スパイスが結構強いため、穏やかな物が好きな人には似た料理の「スパイスソテ」をおすすめしているそうです。

デビルはスリランカ料理屋に大抵ありますが、こちらでは「ホタテは他のお店ではないところがおおい」と伺ったので、
こちらにしました。
出て来た料理は、鉄板の上にのっており、あつあつの状態で提供されました。凄く食べやすいです。
ホタテの他に、玉ねぎ、トマトなどがのっているほか、日本の長ねぎも乗っており、知らずに食べたら和食と勘違いする人も
多いんじゃないでしょうか、そのくらい、なじみの深い味わいに通じています。中華料理にも似ています。
日本人の口には確実に合います。おすすめです。
ただし、やはり、辛いです。ほたての旨みのおかげで、ついつい辛さを忘れてしまいますが、
後味に辛さがしっかりと焼きついている。唐辛子もありますが、ブラックペッパーなどの辛さもあります、いろんな辛さが後味に残ります。
現地味として見ても、日本人むけとして見ても、両方の側面から言って、大変うまかったです。

ごちそうさまでした。

デザートはチョコアイスと、ドリンクなのですが、アイスティーを選択したのですが、これがかなりうまかった。
セイロンティーなんでしょうか、やはり。
こだわりが素敵です。

ツナパハのおかげでスリランカ料理が浸透している博多もんの舌に合うスリランカ料理のお店がまた登場しましたが、
こちらでは現地味も楽しめるとあってポイント高いです。
ぜひ、スリランカカレーを博多もんに対して、どんどん広げていって欲しいと思いました。
スリランカカレー、まだの方は一度お試し下さい。