山奥の桃源郷 : 山はげ

親父さんが一時体を壊して店を休んでいたこともあり、２年ぶりに３世代そろって行ってきました。

３月に再開して、あっという間に４月５月の予約が埋まってしまったそうで、ラッキーでした。

メニューはいつも通りでしたが、サヨリも太刀魚も捌いたばかりの新鮮なもので、山菜はもちろん店の周りにある新鮮な野生のタラの芽、こしあぶら、山うどです。

タケノコ煮
手羽先山椒煮
ねぎとレタスと錦糸卵のサラダ

茶碗蒸し

天ぷら
海老
太刀魚
サヨリ
さつまいも
アスパラ
タラの芽
山ウド
こしあぶら
かきあげ

筍ご飯
漬物
みそ汁

珈琲

名古屋では３５００円で始めた店が、いつのまにか３万円になったり東京に移って５万円だ１０万円だになったりと、「名古屋発超高額天ぷら」の世界は、私にはもう縁のない（と言うより興味のわかない）どうでも良いものとなっていますが、こちらは山の中の一軒家でもてなしてもらえて、川の流れる庭でゆっくりくつろいでも一人４０００円と、桃源郷のような店です。

庭で孫を遊ばせて、のんびりとコーヒーを飲んで、すっかりくつろいで帰りました。

今年もＰＬＥＹＥＬ家三世代揃って、山菜中心の天ぷらを食べに行ってきました。小原村の山奥にある、一日一組限定の天ぷら屋さんです。

五月に入ると野草類より木の芽がメインです。なんせ山の中ですので山菜は買いに行く必要はありません。庭に棘のたくさんついたタラの木と山椒の木があって、タラの芽と花山椒が食べごろでした。

お客の紹介先をたどっていくと結局３人にたどり着く！と言ったお店で、客の写真付きで、好き嫌い、アレルギーなどを細かく記載したノートもありますが、現在は紹介にこだわっていないそうなので、電話をして空いていれば気軽に行ってください。ただし以前カーナビにお店が登録される前は、本当にこの道で良いのか？たどり着けるのか？と不安になるような場所にありますので、始めて行く方は時間に余裕をみた方が良いと思います。

タラの芽のコク、コシアブラの香り、ウドの鮮烈さ、こごみの粘り、キスやサヨリのホクホクさ、絶品のサツマイモ！に山菜やタケノコ料理。

晴れた日は料理の後、庭でコーヒーを飲みながら猫と遊んでゆっくりくつろげます。

先日レビューした三重の「大和」以上に、身も心も幸せになれるお店です。これで４０００円と言うのは申し訳なくなるくらいＣＰが高いと思います。

２０１６年１１月

新作は蕎麦掻き！

いつまでも続いてほしい店です。

名古屋の天ぷら屋は昨年、７千円だった「にい留」が倍の１万５千円、１万５千円だった「くすのき」が２万５千円からさらに３万８千円（時価）に値上げするなどすっかりおかしくなってしまいました。天ぷらは「新鮮な食材を厳選して金をかければいくらでも値段は高くできる」かもしれませんが、天ぷらが美味しいかどうかは全く別の問題ですし、私は食事に見合う（釣り合う）値段というものも強く意識します。景気の良いときに一人３万円以上取っていた名古屋の老舗天ぷら屋「Ｔ」や「Ｙ」が、今や値段を半分以下に下げてもガランとして見る影もないのを見て反面教師にしてほしいものです。

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２０１６年４月

ご主人も１８歳の猫も元気でした(^o^)

原則紹介制のお店ですが、自分は絶対にキャンセルしない信頼できる人間だと電話で説明して納得してもらえれば、受け入れてくれると思います（保証はできませんが・・・(^^;)

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２０１５年１０月

３月が好評で再度家族のだんらんに行ってきました。

新作が手羽元の山椒煮、天ぷらには太刀魚に加え何とサヨリ！初めて食べました。どちらも江戸前では絶対に出てこない食材ですね。太刀魚の腹の部分の天ぷらは、食べたことのない方が可愛そうになるくらい美味しいです。

天気が良かったせいか猫が二匹とも日向ぼっこに出てきてくれて、機嫌もよく遊ぶことが出来ました。

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２０１５年３月

２年ぶりの訪問です。一時期体調を崩されていたご主人もすっかり回復し、奥さんと一緒に自宅の居間で美味しいてんぷらを食べさせてくれます。

自宅の居間での接待、これこそが究極のおもてなしではないでしょうか！

天ぷらと猫が好きでのんびり時間を過ごしたい方には、一番のお店です。私は東海地方の天ぷらでは、満足度でこちらのお店が断トツの一番だと思っています。

写真にはありませんが３０分近くかけて揚げる紅あずま（サツマイモ）の天ぷらは絶品です。私はサツマイモの天ぷらに関しては、名古屋の「あやめ」や「天喜」「くすのき」よりもこちらの方が上だと思ってます。あえて比べるなら、移転前の銀座の近藤でしょうか・・・

海老はサイマキではなく普通の大きな海老ですが、これにはこれの魅力があります。江戸前の天ぷらでは絶対に出てこない「太刀魚の天ぷら」はキスよりさらにほっこりしていて、口の中で溶けます。これは名古屋前天ぷらの魅力です。

先ほどまで生きていた穴子をさばいたなどと「食材の鮮度を自慢する」タイプのお店ではありません。天ぷらを乗せた和紙が油で濡れないと自慢するようなお店でもありません。それでも最高に美味しいのは、おもてなししようとする心がこもっているからでしょう。そしてこれだけもてなされて４０００円というのは、一万円時代のトウ・ラ・ジョアのように、あり得ない値段だと思っています

Ｐ．Ｓ．
以前は興が乗るとご主人が弾き語りをしてくれましたが、今回は録音したご自分のＣＤを聞かせてくれました。

Ｐ．Ｓ．２
山奥にあるので、以前は運転していて道を間違ってないのか不安になりましたが、現在はカーナビに載っているので安心して行けます。

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２０１０年

文字通り山奥の一軒家。庭に小川が流れています。昼のみ営業で一日一組限定の完全予約制・・・と言うことで、ａｓｋｕでも食べログでも紹介を控えていました。実際２００９年春までは個人ブログ２カ所くらいにしか載っていなかったのですが・・・

いつの間にか、他のほとんどのグルメサイトには住所も電話番号も掲載されていますし、googleで検索するとあちらこちらの個人ブログには御主人の写真も載っています。現在は３ヶ月先まで予約いっぱいと恐ろしい状況で・・・

と言う訳で、今更隠してもしょうがないので紹介することにしました。次回行ったときに許可が出たら（出ないと思いますが・・・(^_^;)）、猫以外の写真も掲載します。

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数年前に閉店した、名古屋本郷の名店「とんかつ十勝」のオーナー横尾夫妻が、四季桜で有名な「旧小原村」の山奥の自宅で営む天ぷら屋さんです。

一日一組昼限定、４日前までの完全予約制で、１１：００～１４：００のうち２時間を天ぷら屋として、ご夫妻が自宅の居間でもてなしてくださいます。

季節の天ぷら十数品、その他必ず出るのが、金糸卵と野菜のサラダ、美味しい豆腐、大きな茶碗蒸し、鰻のまぶしご飯か山菜やキノコなどの炊き込みご飯、白味噌汁、漬け物。そのほかには季節によって、手羽と大根の煮込み等、２～３品が出てきます。テーブル脇に天ぷら鍋が二つあって揚げたてが食べられます。（大きなサツマイモだけは低温で長時間揚げるのでほかほかです）

板張りの居間に座って食べることになりますが、大きな窓からは庭や回りの風景が見えて素敵です。庭には小川が流れ、食後に素晴らしい水で美味しい珈琲を作ってもらえるので、天気の良い日は縁側や外でくつろぐことができます。ご夫婦お二人の気持ちのこもった接待と、この自然の中で過ごせるまったり感が何とも言えないので、隠れた名店として有名になったのでしょう。

これで４０００円ぽっきりです！！！

猫嫌いでなければ、食後は写真の素晴らしい猫達が遊び相手になってくれます。ただし雄猫が車の前輪に必ずマーキングしますので、それは覚悟で行って下さい。運が良ければ、狩りをした小鳥、ネズミ、モグラは言うに及ばず、野ウサギや狸を引きずってくるかもしれません。

春のシーズンは桜鑑賞と山菜天ぷら、秋は紅葉と四季桜鑑賞とキノコの天ぷら・・・の組み合わせなどがお勧めです(^_^)

帰りは瑞浪側（国道３６３号線方面）に出ると、曽木公園前に日帰り温泉施設ができましたので、そちらに寄ると併せて一日中楽しめます。

Ｐ．Ｓ．
トウ・ラ・ジョアのところにも書きましたが、一日一組限定のお店ではドタキャンはそのままお店の損害となりますので、「この人は絶対にドタキャンをしない」と御主人が判断された方のみがお客さんとして迎えられます。したがって一般的には、「紹介制」と言うふれこみになるのは仕方がないと思います。数年前からお客さんをパチリとデジカメで撮影して、食べ物の好き嫌いのデータが入った写真日記も作られています。

紹介無しの飛び込みで電話をして御主人に予約をお願いする場合は、必ずしも受け入れてもらえる訳ではない事に、ご留意下さい。

私自身は、昔京都の一見さんお断りと言う噂のお店で、ずいぶん嫌な思いを重ねましたが、「トウ・ラ・ジョア」や「山はげ」では紹介無しの電話で受け入れて頂けましたので、食べログで紹介しています。

Ｐ．Ｓ．２
いつのまにか毎年、ギター、アンプ、マイク、スタンド・・・と増えて来ましたが、親しくなると御主人の弾き語りなども聴かせて頂けるようになりました。

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２０１２年

２０１０年は混んでいて予約が取れず、昨年は日程が合わずで、二年ぶりで行ってきました。ほかの方が天ぷらの写真をアップしたようですが、私は天ぷらは出たらすぐに食べるので主義なので、最後のかき揚げと他の料理の写真をアップしておきます。

目立たないように今日まで総合点を無しにして、今までは私の読者だけに紹介していたのですが、親父さんが会話の途中で突然、

「弟子にやらせたとんかつ百年亭の方が今や点数が上ですよ」

と、寂しそうにぽつりと漏らされたので、点数つけておきます。山菜やきのこの季節は迷わず満点です！天ぷらも料理も豆腐！も全て美味しいです。

ここに来ると本当に癒されます。自宅への招待！これが究極のもてなしの姿ではないでしょうか？

ただしもてなされるためには、もてなされようとする心の準備が必要です。粗探しをするためにわざわざお店に行くような方には行ってほしくない、ほのぼのとした一軒家のお店です。